進学・転学に関するご相談承ります!
進学・転学を考えている皆さま
本ページでは進学先として通信制高校を考えている中学生及びそのご家族の方、また転学先として通信制高校を考えている高校生及びそのご家族の方を対象にして書いてあります。
本ページ及びその前のページを読んで進路選択をしていきましょう。
ここでは通信制高校で採用している単位制について、また通信制高校での友だちづくりやいじめについて述べていきます。
公立・私立を問わず通信制高校についてご理解いただけると思います。
学年制と単位制の違い
通信制高校は「単位制」の学校です。
その対となる言葉が「学年制」です。
では、その違いは何でしょうか?
まずは、皆さんになじみのある「学年制」というシステムから説明します。
※ここでの説明は通信制高校への進学・転学を考えている人に理解していただくことを優先しています。
学年制とは?
学年制は皆さんが小学生や中学生の頃に経験したシステムです。
同時期に入学した生徒は同じ学年となり、その学年の中でクラス分けがされます。
同じクラスになった生徒たちは皆で同じ授業を受けます。
一年間同じメンバーで過ごしているので友達はつくりやすいです。
体育祭や合唱コンクールなどの行事もクラス単位で参加するため、友達との絆はいっそう深まります。
一人の教員が担任としてそのクラスの生徒を受け持つことになります。
担任は毎日ホームルーム教室に来るので生徒と担任との関わりは多くなります。
学年制で単位を落としたら・・・・・・
「高校では成績が悪いと留年する」という話を一度は聞いたことがあると思います。
たしかに、学年制では高校では成績が悪かったり、欠席日数が多かったりすると同じ学年をもう一度繰り返さなければなりません。
たとえば、高校1年で「英語コミュニケーションⅠ」、「数学Ⅰ」、「体育」、「情報Ⅰ」の成績が悪くて、その科目の単位が取得できなかったとします。
この場合、留年という扱いになり、次年度も高校一年生として学校生活を送られなければいけません。
他の国語、社会、理科、家庭科などの成績がどれだけ良かったとしても、その科目もすべてもう一度最初から受け直すことになります。
このように、「学年制」では一部の科目の単位が取得できなかった場合に、その学年の科目すべてを1から受け直すのが特徴です。
宿泊学習などの行事も再び参加しなければなりません。
同じタイミングで入学した同級生は形式上先輩となり、留年後の新しいクラスメイトは全員年下になります。
周囲の目が気になる生徒は、留年が決まると転学・退学してしまいます。
留年した場合には卒業までに4年以上掛かることになります。
単位制とは?
今度は「単位制」について説明します。
通信制高校への進学・転学を考えている方は、以下の内容が通信制高校の学校生活となるので参考にしてください。
「単位制」は各生徒が自分の好きなタイミングでどの授業を受講するか決めることができます。
(※私立の通信制高校で通学コースを選ぶと、学校が時間割を指定することがあります)
そのため、同じ時期に入学した子たちが同じ授業を受けるとは限りません。
他学年の生徒と一緒に同じ授業を受けるのは日常茶飯事です。
自分のクラスがない
単位制では一般的にクラスという概念がありません。
1年1組みたいな言い方がありません。
自分のクラスがないため、登校後にまず自分のホームルーム教室へ向かう必要はありません。
自分の選択した授業の教室に直接向かいます。
授業が終わるたびに次の授業の教室へと移動します。
授業ごとに受講生徒の顔ぶれが変わるため、単位制では友達をつくる機会があまりありません。
昼食を食べる場所は決まっていないことが多く、各自が空き教室を探してお弁当を食べます。
(※学校によっては食堂やラウンジなど食事場所の制限があります)
また、授業の選び方次第で登校する時間も異なります。
朝9時に登校する生徒もいれば、午後1時に登校する生徒もいます。
下校時間も同様です。
(※私立の通信制高校で通学コースを選ぶと、学校が登校時間と下校時間を指定することがあります)
ところで、単位制の学校では各生徒に担任がつきます。
一般的には、一人の担任が卒業まで同じ生徒を担当します。
生徒と関わる頻度はその担任や学校の方針によって異なりますが、生徒と担任がしっかり向かい合って話す機会が一年間で数回程度しかないこともあります。
単位制で単位を落としたら・・・・・・
単位制では、ある科目の単位を落とした場合にはその科目だけもう一度受講し直します。
成績や出席状況をクリアしている他の科目の単位はすべて認められます。
二度手間がないのが単位制のメリットなのです。
留年という概念もないので、もう一度同じ学年を繰り返す悲劇もありません。
同じ授業を受講していた友人がすべての単位を取得した場合、単位を認められなかった科目だけは改めて一人で受け直しますが、それ以外の科目は引き続きその友人と一緒に受講できます。
単位を認められなかった科目は卒業までに取得すれば大丈夫です。
もしその科目が必修科目でなければ、再度受講しなくても構いません。
なお、単位制と学年制の区別なく高校は最低74単位取得しないと卒業できません。
よって、単位制の学校では自分で計画的に授業を選択して3年間でその条件をクリアする必要があります。
その条件をクリアできなければ、留年という言い方はしませんが卒業が遅れることになります。
通信制高校での友達づくり
通信制高校では友達をつくる機会がとても少ないです。
上記で説明した通り、単位制を採用している通信制高校では授業ごとに生徒の顔ぶれが異なります。
なおかつ、通信制高校では生徒が学校(サポート校、学習センター、キャンパスなどとも言う)に行く必要がほとんどありません。
公立の通信制高校の場合は、期末試験日を含めて年間で15~30日程度です。
私立の通信制高校の場合、年間でたった5日程度のスクーリング(登校)で済む学校もあります。
体育祭などの行事で力を合わせることもないので、学校が特別な働きかけをしない限り友達はなかなか作れないのです。
通信制高校は、人と関わりたくない子どもにとっては居心地が良いと思います。
また、友達づくりが苦手な子にとっても安心です。
他の子達も一人でいるので、自分が一人でいても目立たなくて済むのです。
一方で、「通信制高校に通うことになったけれど、友達をつくりたい!」という人もいると思います。
通信制高校で友達をつくりたい場合は次のような方法があります。
①登校日数の多い私立の通信制高校を選ぶ
私立の通信制高校の多くは週5日通えるコースを設けています。
平日通学するコースを選ぶと、学校側は同年齢の子達が同じ授業を受講できるように時間割を組み立てます。
そのため、同年齢の友達をつくるチャンスが増えます。
全日制の学校と同じように毎日登校するので生活リズムが安定するというメリットもあります。
ただし、学費はかなり高額になるので志望校のホームページで確認しましょう。
週2・3日のコースや週1日のコースもありますので、ご家庭で相談して最適なコースが見つかるといいですね。
②担任に相談する
通信制高校では生徒一人ひとりに担任がつきます。
その担任に「友達をつくりたい」と相談しましょう。
(※公立の通信制高校では友達づくりへの協力はあまり期待できません)
担任はさまざまな方法で協力してくれます。
仲良くなれそうな生徒と同じ授業を受けられるようにしてくれると思います。
どういうタイプの子たちと仲良くなりたいか具体的に担任へ伝えるとよいでしょう。
授業以外の時間に仲良くなれそうな子を紹介してくれることもあるので積極的に希望を伝えるのがよいですよ。
ビルのワンフロアを借りて運営しているような通信制高校は一度に登校する生徒の数が絶対的に少ないです。
授業によっては二、三人しか生徒がいないこともあります。
その中から気の合いそうな人を見つけるのは困難です。
登校日が違うだけで仲良くなれそうな子が在籍している可能性があるので、担任に希望を伝えてみましょう。
③自分から話し掛ける
最後は自分の努力と勇気で解決する方法なので紹介するのも申し訳ないのですが、でも実際に多くの生徒はこれをしています。
もちろん、自分から話し掛けなくても友達づくりが上手な子がやさしく話し掛けてくれることもあります。
これはめぐりあわせなので、運任せみたいなものですね。
もし運良く話し掛けてもらえたときには相手の勇気に応えてあげましょう。
友達がいることのメリット
通信制高校は友達ができないと言われますが、全日制の学校と同じように友達をつくって楽しく学校生活を送っている子たちもいます。
親しい友達と同じ授業を選択すれば授業も一緒に受けられます。
昼食の時間も楽しく過ごすことができます。
体育の授業でも友達とペアを組めるので楽しく運動できます。
友達づくりがうまくいけば、学校に通うことへのモチベーションが高まりますね。
なお、子どもたちはさまざまな理由で通信制高校への進学を決断しました。
人との関わりがないことで精神的負担を減らせると思い、通信制高校に進学している子もたくさんいます。
そのような子達のことも尊重し、皆が安心して通える環境をつくれるといいですね。
通信制高校のいじめの有無
受験生も保護者の方も進路を決める際に、志望校ではいじめがあるのかどうか知りたくなります。
誰もがいじめのない学校に行きたいと願います。
しかし、残念ながらいじめは起きてしまうことがあります。
ただ、それは通信制に限らずどこの学校でも起こり得ます。
今日起きていなくても明日からいじめが始まるかもしれません。
大切なのはいじめの有無ではありません。
真に大切なことはいじめの被害を訴えたときに学校が本気で対応してくれるのかということです。
心配な方は入学前に「この学校ではいじめが起きたら解決するまで対応してくれるのか」と聞いてみましょう。
なお、年に数日しか通わないコースであれば、他の生徒との関わりはほぼありませんのでいじめの起きる確率はゼロに等しくなります。
子どもの成長を見守る保護者の皆さまへ
朱に交われば赤くなるという通り、人は誰かと共にいるとその影響を受けやすくなります。
特に感受性の強い思春期には感化されやすくなります。
通信制高校にはさまざまなタイプの子どもたちが集まってきます。
平日に通学するコースを選ぶ場合はその可能性も踏まえて判断するようにしましょう。
教育コンサルティングのご紹介
当社の教育コンサルタントは通信制高校への進学・転学を考えている方に具体的で丁寧なアドバイスをして、進路選択のサポートをいたします。
また、進路だけでなく悩みを抱える多くの子どもたちからの相談も受けています。
お子さまや保護者の方のカウンセリングだけでなく、学校内に起きている問題の解決方法も提示いたします。
中学や高校で担任として、主任として子どもの抱える問題を数多く解決してきた実績があります。
ぜひ一度ご相談ください。
対応しているご相談内容
お子さま本人が抱えている悩み
- 学校内で友人関係で悩んでいる
- 学校でいじめの被害に遭っている
- あることで学校に相談するべきか悩んでいる
- 生きることに消極的になっている
- 不登校になっている
- 転学しようか悩んでいる
- 欠席や遅刻が多くなってきた
- 自傷行為をする
- 心の病気を抱えている
- 勉強面で身が入らない
- 勉強の仕方がわからない
- 成績を上げたい
- 進路のことで悩んでいる
- 志望校の決め方が分からなくて困っている
その他にも幅広い範囲のご相談内容を受け付けております。
対応可能かどうかお尋ねになりたい方は以下よりお気軽にお問い合わせください。
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著者紹介
滝川 知靖(たきがわ・ともやす)
東京都在住の教育コンサルタント。大学卒業後に教員になり、私立高校や通信制サポート校を経て東京都内にある中高一貫教育の私立女子校で教壇に立つ。学校説明会の企画運営、入試問題作成、入試面接など受験に広く携わってきた。約二十年間で中学一年から高校三年までの全学年の担任を務めた。特に、中学三年と高校三年の進路指導の経験が豊富。また、生徒一人ひとりの悩みに昼夜を問わず親身になって相談に乗る日々を過ごしてきた。特に弱い立場の子どもたちを支えたことで知られている。現在は教育コンサルタントとして生徒および保護者のサポートをしている。その内容は進路相談、勉強方法、不登校の生徒のサポート、発達障害のある子の支援など多岐に渡る。学校現場からの相談にも対応している。
近著『令和時代の私立中学校・高校選び ~わが子の進学先をどう選ぶか~』