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通信制高校ってどんな学校?① -進学・転学を考えている方へ-

 

進学・転学に関するご相談承ります!

 

進学・転学を考えている皆さま

本ページでは進学先として通信制高校を考えている中学生及びそのご家族の方、また転学先として通信制高校を考えている高校生及びそのご家族の方を対象にして書いてあります。

通信制高校は、中学校までに通っていた全日制の学校とは時間割や学校生活、登校日の日数などが大きく異なります。

本ページ及びその続きのページを読んで進路選択をしていきましょう。

通信制高校には私立と公立があります。

ここでは主に私立の通信制高校について紹介しますが、その比較対象として公立の通信制高校についてもふれていきます。

 

 

通信制高校と通信制サポート校の違い

進学・転学先として私立の通信制高校を検討していると、通信制高校以外に通信制サポート校という名前を目にすると思います。

通信制高校と通信制サポート校は異なるものですので、まずはその違いを知りましょう。

 

通信制高校とは?

通信制高校は学校法人の運営する「高等学校」です。

レポートの提出、スクーリング、テストによって単位を取得し、高校を卒業することができます。

スクーリングは学校に登校するという意味で、「面接指導」とも言います。

レポートやスクーリングについては後で詳しく説明します。

なお、私立通信制高校の本校は大都市から離れていることが多いです。

通信制サポート校(以下、サポート校と言う)

サポート校は「高等学校」ではありません

正式な高校でないのであれば、サポート校はいったい何のためにあるのでしょうか。

サポート校は、3年間で通信制高校を卒業できるように支援する“予備校”のような存在です。

独学で通信制高校の勉強をするのが困難な人に学習指導をしてくれます。

先ほど通信制高校は地方にあることが多いと書きました。

遠くの通信制高校にスクーリングしなくても、最寄りのサポート校に登校すればスクーリングとして認められます。

 

サポート校は塾や予備校などの教育事業を営む企業などによって運営されています。

つまり、学校法人ではなく株式会社などが母体です。

多くのサポート校は駅前のビルのワンフロアを借りています。

そのため、生徒は学校に登校するというよりも駅前の予備校に通っているような感覚になると思います。

 

サポート校は通信制高校と提携している

ほとんどのサポート校は特定の通信制高校と提携しています。

例を挙げて説明しましょう。

仮にあなたがA学院渋谷校というサポート校に通うことになったとします。

A学院渋谷校は通信制高校のB高等学校と提携しています。

この場合、A学院渋谷校に通うあなたは学校法人B高等学校に在籍していることになります。

よって、無事に卒業できれば、履歴書には「学校法人B高等学校 卒業」と書くことになるのです。

A学院渋谷校はサポート校なので学歴にはなりません

 

サポート校で勉強の指導もテストも受けられる

生徒は通信制高校のレポートを作成する際にサポート校の先生の支援を受けることができます。

通信制高校の単位認定テストもサポート校の教室で受けられます。

 

サポート校の学費

サポート校に入学する場合、事前に学費をチェックしましょう。

サポート校から提示された学費が通信制高校の学費も含んでいるのか、それともサポート校の学費だけなのかを確認してください。

サポート校へ入学する場合、サポート校と通信制高校の両方に学費を支払うことになります。

 

近年の通信制高校事情

ここまでで通信制高校と通信制サポート校の違いはおわかりいただけたでしょうか。

その違いを理解した上で近年の通信制高校事情をチェックしておきましょう。

以前は塾や予備校などの教育事業を営む企業がサポート校を運営していました。

しかし、近年はその企業が学校法人の通信制高校を設立するようになり、通信制高校とサポート校の両面の役割を果たすようになってきました。

実際に皆さんがネットで検索して上位に表示される私立の通信制高校はその類いです。

そのような通信制高校は、学校名を冠にした「通信制〇〇高校△△キャンパス」という分校を全国で開校しています

そのキャンパスがサポート校の役割を果たしています。

このように通信制高校とサポート校の境界線がなくなりつつあるため、ここからの説明は通信制高校という言い方に統一して説明していきます

 

通信制高校にはどのくらいの頻度で通うの?

公立の通信制高校の場合

まず公立の通信制高校について説明します。

たとえば、東京都内の都立通信制高校ではスクーリングが年間で24日程度あります。

スクーリングとは学校に登校するという意味です。

通信制高校といっても少しは学校で授業を受けなければならないのです。

都立高校の場合、スクーリングはすべて土曜日です。

 

単位認定に必要なスクーリング回数は科目ごとに決まっています。

生徒はスクーリングのスケジュール表を確認して、最低限必要なスクーリングをおこないます。

公立の通信制高校の場合、期末テストの日を含めても登校日は最大で年間30日以内となります。

少なければ年間で15日程度で済むでしょう。

 

私立の通信制高校の場合

通学日数はさまざまです。

自宅学習コースであれば、年間で5日程度のスクーリングで済む学校もあります。

公立の通信制高校よりも少ないですね。

自宅でレポートに取り組み、終わったら郵送するというのが主な学校生活です。

 

週5日通う平日通学コースもあります

何らかの事情で通信制高校に入学するけれど、全日制の学校と同じように平日は学校に行きたい人におすすめです。

友だちを作りたいという人にもよいでしょう。

 

その他に週1日コース、週2・3日コースなどもあります。

また、自宅でオンライン教育を受けるコースなどもあり、学習形態が多様化しています。

通信制高校の学費はどのくらいかかるの?

学費を知る上で、まず高校卒業に必要な単位数を知っておきましょう。

高校卒業に必要な単位は74単位以上です。

これは全日制の高校も同じルールです。

 

公立の通信制高校の学費

都立の通信制高校を例に挙げると、授業料は1単位あたり336円です。

中学卒業後にすぐ入学する生徒、もしくは他の高校で単位を取得したことがない生徒は、通信制高校で74単位を取得することになります。

336円×74単位で2万4864円です。

卒業までの授業料と考えると、とても安いですね。

就学支援金の対象となれば、その授業料は無料になります

その他には入学金が500円、日本スポーツ振興センター共済掛金が年間165円です。

制服や通学鞄などの指定もないので、支出をかなり抑えられます

 

私立の通信制高校の学費

私立の通信制高校は1単位あたり7,000円程度です。

74単位を取得するとなれば、卒業するまでに51万8,000円の授業料が掛かります。

公立高校の20倍以上の金額です。

51万円8,000円という金額は3年間の授業料なので「意外と安いかも」と感じる方もいるかもしれません。

しかし、私立の通信制高校は他にもさまざまな料金が上乗せされます。

そのため、授業料のみの51万円という金額はいったん横に置いて、年間の学費を見ていきましょう。

 

先ほど説明した通り私立の通信制高校はさまざまなコースがあります。

そのため、コースごとに料金の目安を紹介します。

※コースの名称は学校によって違います。

 

自宅学習コース

年間のスクーリングが数日しかないコースです。

学校で指導を受けるのではなく、ほぼ独学で勉強することになります。

授業料、入学金、施設費、管理費なども含めて、初年度は年間30万程度掛かります。

 

平日通学コース

週5日の平日通学コースは高額で年間85万円から120万円ほど掛かります。

私立の全日制高校の2倍から3倍の学費です。

週1日、週2・3日など通学日数が少ないコースはその分安くなります。

 

その他のコース

オンライン教育で学習するコースは初年度65万円程度です。

私立の通信制高校は普通科の授業だけでなく、プログラミング、ファッションやエンターテインメントなどをあわせて学ぶコースもあります。

このようなコースの場合、授業料が年間で130万円を超えることもあります。

また、通常の授業以外に大学進学のための勉強も希望する場合には追加の料金を支払うこともあります。

 

通信制高校のスクーリングとは?

スクーリングとは学校に登校するという意味です。

公立の通信制高校は授業に出席することでスクーリングと認められます。

授業では全日制の学校と同様に教科書を使って勉強します。

難しい質問をされたり、グループで活動したりすることはまずありません。

授業を受けることで学習内容が理解できるので自宅でのレポート作成もはかどります。

そのため、スクーリングの日は毎回登校する生徒もいます。

私立の通信制高校は授業に出席することでスクーリングが認められる場合と、先生から個別指導を受けることでスクーリングが認められる場合があります。

通学するコースであれば、それがスクーリングとなります。

 

本校へのスクーリング

私立の通信制高校は本校が郊外にあることが多いです。

通信制高校に入学すると、生徒は最低でも一回は本校(一部の学校を除く)にスクーリングしなければいけません

そのため、東京や大阪などに住んでいる生徒でも本校(たとえば、茨城や沖縄など)に行くことになります。

泊まりがけで4、5日程度行く学校もあります。

なお、公立の通信制高校の場合はその学校そのものが本校なので遠方に行く必要はありません

 

鬼門は体育

通信制高校に入学した子にとって厄介なのが体育です

週に1日程度しかスクーリングをしない生徒の多くは校内に友だちがいません。

通信制高校では「友だちがいなくても構わない」という子どもは結構います。

英語や数学などの授業に出席して終わればすぐに帰宅するのでそれでも構わないのでしょう。

しかし、体育のスクーリングだけは他の生徒と関わらないといけません

先生が気を利かしてグループを作ってくれればまだ良いのですが、「自分たちでグループを作って」と言われたら不安になる人が多いと思います。

友だちがいない中でバドミントンの相手を見つけたり、バレーボールのチームをつくったりするのは嫌ですよね。

これが憂うつで、体育の授業が一番嫌いという生徒はけっこういます。

運動施設のない学校(キャンパス、学習センター、サポート校)は近くにある公立の体育館を半日借りて、その出席で体育のスクーリングをすべて済ませたと見なすことが多いようです。

もしくは、通信制高校の本校にスクーリングした時にその敷地内で体育の授業をおこなう学校もあります。

いずれにしろその機会に欠席すると体育の単位が取得できない恐れがあるので気をつけましょう

 

通信制高校のレポートとは?

通信制高校では単位を取得するために科目ごとにレポートを提出しなければなりません。

提出方法は郵送か直接持参のどちらかです。

レポートの枚数は科目によって異なります。

1科目で五十枚以上になることもあります。

なまけてため込むと後が大変です。

小学生や中学生の頃、夏休みの最終日まで宿題が終わらなかった人は気をつけましょう。

 

レポートの作成は大変なの?

私立の通信制高校のホームページを見ていると、「独学でレポートを作成するのは困難で、3年間で卒業できる人は2、3割しかいない」、「挫折して退学してしまう人もいる」と書かれていることがよくあります。

たしかに、家でまったく勉強しない子や中学の成績が良くなかった子はその恐れがあります。

でも、レポートは教科書の内容に沿っていて難易度も教科書のレベルです

中学校までの学習がある程度理解できている子や、教科書を読めば内容が理解できる子、レポートに取り組む際に家族などのサポートが受けられる子は問題なく単位を取得できます

 

 

続きのページへ

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単位制というシステム、通信制高校の友だちづくりやいじめについてご説明いたします。

 

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著者紹介

滝川 知靖(たきがわ・ともやす)

東京都在住の教育コンサルタント。大学卒業後に教員になり、私立高校や通信制サポート校を経て東京都内にある中高一貫教育の私立女子校で教壇に立つ。学校説明会の企画運営、入試問題作成、入試面接など受験に広く携わってきた。約二十年間で中学一年から高校三年までの全学年の担任を務めた。特に、中学三年と高校三年の進路指導の経験が豊富。また、生徒一人ひとりの悩みに昼夜を問わず親身になって相談に乗る日々を過ごしてきた。特に弱い立場の子どもたちを支えたことで知られている。現在は教育コンサルタントとして生徒および保護者のサポートをしている。その内容は進路相談、勉強方法、不登校の生徒のサポート、発達障害のある子の支援など多岐に渡る。学校現場からの相談にも対応している。
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